WFC World Financial Consultants, Inc. は「insurance 110」の看板を掲げて、アメリカ滞在中の日本人に、安心した保険プラン選び 及び 将来に向けたファイナンシャル・プランニングをお手伝いしている。2012 年の設立より、商品力と顧客満足度の高さが評価され、順調に全米に拠点を拡大し、現在ではトーランスやダラス等 9 拠点展開までに至る。
そんな同社が行っている顧客管理や、売上管理の仕組みに Kintone が採用され、マネジメントだけでなくスタッフの情報管理業務の負荷軽減に大きく貢献している。
顧客管理や売上管理の基盤に Kintone を採用した経緯について、代表取締役の 有鹿 嘉浩 氏に話を伺った。
<課題>顧客・売上管理業務の改善が拠点拡大において急務に
2016 年、4 拠点目の立ち上げを控えていた同社は、紙や Excel で情報を管理し、Dropbox(ファイルを管理・共有できるオンラインストレージ)やメールで共有する運用に頭を抱えていた。
顧客情報は基本的に各店舗のスタッフが、来店した顧客に記載してもらう紙の「受付票」で個別に管理していた。その「受付票」をもとに有鹿氏が各スタッフに確認をとる手間が発生する上に、全体の状況が把握しづらかった。
また、売上情報は Excel にまとめ Dropbox 上に保管し、各スタッフが日々の情報を更新していた。Excel でも売上情報の可視化は最低限できていたものの、スタッフが同時に編集した場合には、新しい情報が古い情報に上書きされてしまい、商談の経緯に関する貴重な情報が削除されてしまうなどの状況が発生していた。
店舗やスタッフが増えれば、その分、こうした課題も加速度的に増えていくと予想され、早急の対策が求められていた。
<導入>現場手動で運用できることが決め手に
「過去に使ったことがあるシステムの導入を検討していましたが、新しくアプリを作る際や変更を加えたい際に都度業者へ依頼する必要がありました。更に出来上がったものが要件と違うという経験をしていたため、導入にためらっていました。そんな時に、スタッフのひとりから Kintone を紹介されたのが検討のきっかけでした。」と有鹿氏。「Kintone は自分で入力フォームのレイアウトを自由に作り、運用開始後も現場レベルで簡単に変更できることが導入の決め手です。また、検討していたシステムと比べると、びっくりするほど安価だったため、提案を受けた後購入を即決しました。」
実際、自分たちの要件にあったアプリが出来上がり、スタッフに使い始めてもらったところ、現状の紙や Excel の運用から Kintone へのシフトはスムーズだったという。
「スタッフが面倒に感じると使われなくなると考え、極力入力項目を減らすように工夫したことが、スムーズな運用を実現した要因だと思います。」と有鹿氏。
顧客データベースアプリは極力入力項目を減らすように工夫
<効果>30 分かかっていた作業がたったの 3 分に削減
「今までは、様々な情報が Dropbox 内のフォルダやファイルでバラバラに管理されていたため、それぞれファイルを開き確認する必要がありました。それが今では、Kintone にログインし、すべての状況をポータルで確認できます。全体の状況を把握するまで 30 分かかっていた作業が 3 分で済むようになりました。」と有鹿氏は評価する。
各店舗の新規来店数を1画面で把握可能
<今後>Kintone を使うシーンが広がり新たな施策にも挑戦
「もともと IT 機器を管理していたスタッフが Kintone のアプリ作成を担当しています。そのスタッフに、こういう情報を Kintone で管理したいと伝えると、数時間後に Kintone で作ったアプリを見せてくれるんです。難しいプログラミングなしでさくっと作れるところが嬉しいですね。」と有鹿氏。「導入時は Kintone Corp の System Engineer の方に 5 個のアプリを作成してもらい、Kintone の利用を開始しました。それから、8 個のアプリを社内で作成し、ノウハウの共有やガソリン代の経費申請を行う Mileage Tracker など 13 個のアプリを利用しています。」
直近で作成したのは、Web 問い合わせ管理アプリだという。同社への相談予約の 8〜9 割は Web サイトからの問い合わせである。それまでは、対応したスタッフが他のスタッフ全員へメールで問い合わせ内容を連絡し対応していたが、今では Kintone アプリで問い合わせ内容を管理し、同時に担当スタッフをアサインすることで、対応状況や対応漏れがないかすぐに把握できるようになった。また、このアプリで問い合わせ元のお客様の連絡先も管理できるため、直ぐに案件化しなかった場合でも将来の見込み顧客として継続的にメールマガジンを送付しようと考えているという。Kintone の活用が、ナーチャリングという新たな施策に挑戦することにも繋がったようだ。
今後も、アメリカならではの有利な保険商品をはじめ、お客様のニーズにあったサポートを同社は続けていくことだろう。

About the Author
Hiroko
2006年親会社のサイボウズ入社、営業、営業企画、バックオフィスを経て2017年1月よりKintone Corpの一員に。 Client Support Specialistとしてお客様サポートや営業アシスタントを務める。2児の母。 2人目が生まれてからは在宅勤務で育児と仕事の両立を目指す。