KDDI America, Inc.は KDDI(株)の米国法人として 1989年に設立された。通信サービス事業からはじまり、クラウドやセキュリティソリューションの提供、データセンターの運営、さらには、カーテレマティクスのような IoTや RPAといったデジタルトランスフォーメーションの分野にも事業領域を拡大。ワンストップでお客様の事業を支える ICTソリューションプロバイダーである。

  • 本社所在地:ニューヨーク
  • 拠 点 数:北米 8 拠点、南米 1 拠点
  • 稼働アプリ:20個 

同社は、2018年 9月に西海岸のメンバーを中心に Kintoneを導入した。現在では、社内のみにとどまらず、社外の取引先メーカーとも Kintoneで発注管理をしている。Kintone導入前は Excelでデータを管理しファイルサーバーで共有していた同社が、Kintone導入後、どのような業務改善を実現できたのか、Western Regionを統括する副支店長の石井裕子氏に話をうかがった。

 

KDDI_America_キントーン_米国法人_利用事例

まず、同社の利用用途からみていこう。Kintoneは部門内利用、部門間利用、そして、一部では取引先との間でも利用している。

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同社の利用シーン

 

営業部門では「案件管理アプリ」がもっとも使われている。新規案件発生時はデータをアプリに新規登録し、案件に進捗があるとステータスを変更する。入力項目は必要最低限に絞り、無理なく継続できる仕組みにしている。

営業は外出先からスマートフォンでアクセスし、商談後すぐにアプリに記録することもある。案件が進むと、アプリ内でエンジニアがアサインされ、アプリ上でも情報共有しながら受注を目指す。

週次の会議では、案件状況が一目で把握できる一覧やグラフをスクリーンに映し、各メンバーの活動量や実績を細かく確認しながらアドバイスを行っている。

Excel管理ならではの悩み、そして迎えた限界

Ishii-sama_01_キントーン_米国法人_利用事例「会議では、見たい指標が毎週変わります。見込み時期などの時間軸や人ベースで活動内容を追うこともありますし、プロダクトベースで数値を深掘りすることもあります。

Excel で管理していた頃は、毎週、それぞれファイルのデータをひとつのファイルに統合してからグラフを作成していました。見たい指標が変わるごとにグラフの参照先を変更しなければならず、会議の準備に相当な時間を費やすことに非効率さとストレスを長年感じていました。」

と石井氏。

 

同時に、下記のような悩みも抱えていたという。

  • どのファイルが最新かわかりづらい
  • ファイルやフォルダが多すぎて、欲しい情報を探すのに膨大な時間を要する
  • メンバーが増えるにつれ、フォルダのアクセス権の設定が複雑になり管理しきれなくなった

このような悩みを解決するツールとして、同社は Kintoneを採用した。

マネジメント側も現場も、誰もが喜ぶシステムに

「Kintoneに移行後は、データが一つのアプリに集約されているので、会議前に異なるファイルのデータを統合する手間が省けました。また、グラフの設定も Kintone上で簡単に行えるので、Excelでグラフ作成に奮闘していたときと比べると、作業の手間は5分の1まで削減できたと実感しています。と石井氏は評価する。

 

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登録されているデータをヒントに、おすすめのグラフを自動で提示してくれる機能が Kintoneには標準で付いている(図のイメージ)。

Excelではどの見せ方が良いか試行錯誤しながら一から考えなければならなかったが、Kintoneのおすすめグラフをヒントにすることで、考えるプロセスを大幅に短縮できているという。

また、様々な指標のグラフは、会議での利用だけにとどまらず、現場の状況を上申する報告書の作成にも役立っている。

 

Kintoneは、アプリごとに細かくアクセス権を設定できる。部署やロール単位でアクセス権を設定すれば、メンバーの入れ替わりがあった場合でも、アクセス権の設定を変えることなく安全にデータをコントロールできる。アクセス権の管理・設定においても、Excel時代の煩雑さから解放された。

ここまではマネジメント側の導入効果だが、現場のメンバーからも、「報告を書くためだけに帰社しなくてもよくなった」「営業⇔エンジニア間で、案件の進捗確認や相談がしやすくなった」という声があがったという。Kintoneは、移動時間の効率化やコミュニケーションコストを下げることにも一役買っているようだ。

過去のデータ資産を未来に活かせる環境が整った

Kintoneの導入効果は、業務改善以外にもおよぶ。購買、営業、エンジニアの3部門間で利用している「議事録管理アプリ」の利用においてだ。以前は議事録ファイルをファイルサーバーで保管していた。過去の議事録を参考にしたくても、一つ一つファイルを開いて確認しなければならなかった。時には探し出すのを断念せざるを得ないこともあり、過去の資産が十分に活かしきれていなかった。

しかし、Kintoneの導入で変わった。

3部門会議の資料や議事録ファイルを、この議事録管理アプリに保存しています。過去の議事録を参照したいときは、登録日でソートしたり、Kintoneの全文検索機能を利用したりします。添付ファイルの中身まで検索対象なので、過去のデータを探し出しやすくなりました。検索にも時間がかからないので、ストレスも感じません。会社の大事な資産を未来に活かせる土壌ができあがりました。」と石井氏。

会社のデータ資産が一か所に集約され、データを取り出しやすいということは、業務や案件の引継ぎが必要な際も、スムーズに行われていることだろう。

ゲストスペース機能で、取引先と一緒に Kintoneを利用

もう一つ、Kintoneのユニークな使い方を聞くことができた。 同社は、Kintoneユーザーである取引先メーカーが用意した「ゲストスペース」を利用し、発注業務を行っている。社内環境と分離された専用のゲストスペースを利用するため、社内情報が外部に漏れることなくセキュアな環境で利用できる仕組みだ。

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取引先への発注業務に利用している「発注管理アプリ」の一部

 

同社の発注担当者は、「ゲストユーザー」として取引先の Kintoneのゲストスペースにログインする。契約が決まると「発注管理アプリ」に入力し、発注が完了する。取引先は、注文が入ると受注処理を行い、アプリ上で処理完了の連絡をする。この一連の流れで双方の受発注業務が完結するのだ。

ゲストスペースを利用することで、発注書のサインやメールでのやりとり、ファイルを保管する工程が不要となった。メールの誤送信のリスクも回避できる。さらに、過去の発注履歴や確認事項のやりとりもデータとして残るため、顧客単位での履歴を追いやすくなった。

最近では、企業間プロジェクトの進行にゲストスペースが利用されるケースが増えてきつつある。Kintoneは、社内のみならず、社外とも繋がるコラボレーションツールにもなるのである。

月次単位でアプリが増えるほど、メンバーの業務改善意欲が高い

Kintoneを導入して1年以上が経過した。同社では、会議中に誰かが「こんなアプリが欲しい」と発言すると、会議が終わるころにはアプリの原型ができあがっていることもあるという。月次単位でアプリが増えていくそのスピード感からは、同社の改善意欲がうかがえる。今後 Kintoneを新たに活用したい領域についてもたずねた。

「Kintoneの利用範囲はだいぶ広がってきました。それでもまだ Excelで管理している業務も残っています。次は保守メンテナンスの更新管理を手掛けたいですね。今は更新のたびに Excelで見積書を作成し提出しています。Kintoneで運用すれば、リマインダー機能で更新漏れも防げますし、過去の見積書も一元管理できるので業務改善に繋がります。

お客様から寄せられるニーズになんとかして応えたい

同社は、Kintoneのユーザーであると同時に、業務改善のツールとしてお客様に Kintoneを提案するプロバイダーでもある。お客様に一番近い存在である同社には、どのようなニーズが寄せられているのか、最後に話をうかがった。

「多くのお客様は、申請書類やデータの管理を紙や Excelで管理されています。業務改善への関心は高いのですが、紙のデータをどのようにデジタル化するかが最初の課題です。紙の文化をデジタルで管理する文化にしていく突破口を見出したいところです。」

「Kintoneを導入したお客様からは、以前よりデータの管理や共有が楽になった、というご意見をいただきます。最近では RPA(Robotic Process Automation)に関心が強いお客様も増え、RPAと Kintoneの連携で日々の定型業務を自動化できないか、という相談も多くなってきました。お客様のニーズはどんどんデジタル化していきます。Kintoneと絡めてどのような提案ができるのか、自社で利用しながらもっと学んでいきたいです。と、石井氏は締めくくった。

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Excelで管理していたころの悩みを経験しているからこそ、お客様に寄り添った提案ができるのは、同社の最大の強みである。お客様の要望にも、世の中の流れにも適応すべく、学びを怠らない姿勢は、われわれも見習わなければならない。

 

 

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